遠野郷八幡宮 馬場の歴史

 遠野郷八幡宮の馬場は、寛文元年(1661)遠野南部第22代南部直栄によって造営されました。一周450m、約3町歩の面積を誇り、馬が走る南端は220mと流鏑馬の定法に適った設計となっています。これだけ広面積の芝生馬場を有する神社は、日本全国を見回しても二か所だけです(もう一か所は島根県津和野の鷲原八幡宮)。
 また特徴としては、的を掛ける土手は馬場中央に設けるのが普通ですが、この馬場は南端に土手を設け、中央は広場とし、大勢の観客が集まることができるように設計されていることがあげられます。
 この馬場で披露される遠野南部流鏑馬は、南部藩独自の作法を今に伝え、大変貴重な流鏑馬です。
 これらの歴史的・文化的価値を認められ、遠野南部流鏑馬は昭和54年に、遠野郷八幡宮馬場は昭和56年に市指定文化財に指定されました。

馬場を乗り出しから見たところ

馬場を空撮

毎年九月の遠野まつりに披露される「遠野南部流鏑馬」